2023年1月12日発行 西の風新聞掲載
新年早々やる気が出ず朝起きれない、不安を感じる、ネガティブなことばかり考えて眠れないという方。もしかすると年末年始の暴飲暴食で疲れた腸の仕業かもしれません。
『腸』と『脳や心』の関係について
緊張を感じると、腸が反応してお腹が痛くなったという経験がある人は多いと思います。これを『脳腸相関』といい、脳から腸の順番で影響する関係を表します。
ところが最近は、腸から脳という順番でも影響していることがわかってきました。腸内細菌のバランスや腸内環境が悪い人は不安やうつ傾向に陥りやすく、腸内環境が良好な人は、ポジティブ思考で幸せを感じやすい傾向にあると言われています。このことから『腸脳相関』という言葉が注目されています。
第1回で、幸せホルモンといわれるセロトニンは腸で作られることをお伝えしました。腸と脳は『迷走神経』という神経でつながっており、セロトニンは迷走神経という通り道を介して脳に影響していることがわかってきました。
このことを踏まえ、朝すっきり目が覚めて、日中は意欲的に活動し、夜はぐっすり眠るという理想の1日を過ごすためには『腸内環境』と『迷走神経の働き』の改善がカギを握っていると言えます。
前回までに、腸内環境を改善するコツをお話しました。一言でいうと善玉菌のエサとなる食べ物(納豆、みそ、ぬか漬けなどの発酵食品、野菜や海藻など食物繊維の多いもの)をしっかり摂ることです。
そして迷走神経の働きを改善するには『深呼吸をする』ことです。迷走神経の働きはリラックスすることで促進され、ストレスを感じると低下します。
深呼吸というと深く吸うイメージが強いですが、実はしっかり息を吐き切ることを意識するとうまくいきます。
1時間に1度10回の深呼吸をすると、ストレスが40%減るというデータもありますので、取り組む価値は大きいです。
2023年も腸から健康になりましょう。