2023年2月9日発行 西の風新聞掲載
これまで、腸内環境の改善と健康長寿との関係性や、腸内環境が心や思考に与える影響、腸内環境を良くするための取り組みや工夫についてお伝えしました。
今回は、逆に腸内環境に良くない習慣とそれが引き起こす体への悪影響についてお伝えしていきます。
『腸内環境への悪習慣』
・小麦、甘いものをよく食べる
・西洋型の高脂肪な食生活
・加工食品をよく食べる
・野菜や果物などの食物繊維をあまり食べない
・塩素を含んだ水道水をそのまま飲んでいる
・抗生物質を頻繁に飲んでいる
『腸漏れ(リーキーガット症候群)』
こういった習慣を続けた結果、善玉菌より悪玉菌が増えてしまうと、腸内で炎症が起こります。
腸の内壁には必要な栄養素を吸収するために、それらが通れる隙間があります。炎症が起こると、この隙間が広がってしまい、本来は腸から体内に侵入しないような微生物や消化されていない食べ物などが血液中に入ってきてしまいます。
この状態を腸漏れ(リーキーガット症候群)といい、異物が体内に入ってきたと判断して免疫を働かせ、慢性的な炎症を引き起こします。
そして全身の免疫が常に活性化してしまうと、本来は攻撃しない組織を攻撃して、アレルギー症状、喘息やアトピー性皮膚炎、リウマチやバセドウ病、過敏性腸症候群、クローン病などに陥ってしまうこともあります。
『良い習慣を始める前に悪習慣を止める』
テレビで腸内環境に良い食品が取り上げられると、スーパーマーケットからその商品がなくなるという現象が起こります。ですが、良い習慣に取り組む前に前述の悪習慣を無くすことをお勧めします。
ブレーキを踏んだままアクセルを踏んでも前進しないのと同じです。
鼻炎は鼻、皮膚炎は皮膚、喘息は肺に原因があると考え、適切に対応することが前提ですが、もしなかなか良くならないとしたら腸が原因かもしれません。
健康に役立つ知識として頭の隅においていただけましたら幸いです。